ロジスティクス・インサイト「インタビュー」

三洋電機ロジスティクス株式会社
代表取締役 社長執行役員
浅野 勉 氏

今後の物流業界の動向について、どのようなお考えをお持ちですか?
三洋電機ロジスティクス(株)九州 香椎浜センター

三洋電機ロジスティクス(株)
九州 香椎浜センター

まず、間違いなく「再編統合」の機運が高まると思います。また、荷主から「物流合理化の要求」はますます強まること、そして「CO2削減への社会的要請」が挙げられます。

CO2削減に関しては、2年程前から取組んできたのですが、九州地区において、行政・家電メーカー10数社・量販小売店数社、そして物流元請である当社が旗振り役となって共同配送のしくみを立ち上げ、官民一体のCO2削減プロジェクトが間もなく動き始めます。
このモデルがワークすれば、他の地域にも展開する予定です。
もう一つ、業界として極めて深刻な問題が「人材不足」です。庫内作業をはじめとして、将来は外国人の雇用も考えなければなりません。

業績見通しについて、お聞かせください。

2011年3月期は、連結売上高416億円でした(旧三洋電機ロジスティクス連結売上高)。今期は、三洋電機における事業整理・統合の影響で減収となりますが、利益水準は維持できる見込みです。

成長目標は、3年後には新たな成長エンジンが、我社の事業基盤としてしっかりと根付いている姿です。それは、既存のお取引様にとっても競争力の強化や事業拡大により大きな力になれるものと確信しています。

最後に、M&Aについてはどのような戦略をお持ちですか?

いますぐに具体的案件はありませんが、冒頭申し上げた当社の戦略分野と合致する、或いは、同じ事業領域を持っていてシナジーが見込める、という場合は十分視野に入ります。また、海外の物流会社とのコラボレーションも考えられます。

現在の事業規模で安泰だとは思っていません。手法には拘らず、持続的な成長にむけてM&Aは欠かせないと考えています。

以上


取材後記

ここ数年、物流業界におけるM&Aは急速に増加しています。

元来オーナー経営者の多い業界であり、各社(各経営者)の企業文化や風土が色濃く残っている経営基盤は、他社との統合を困難にする独特な業界でもありました。生損保や銀行のように、確立された仕組みをもつ複数企業の統合は、ポストM&A効果も想定可能です。
それに比べ、仕組みより人的要素に重きを置く物流業界では、ポストM&A効果の想定しにくさが懸念要因として不安視 されてきました。

今回取材した三洋電機ロジスティクス社は、投資ファンドを主要株主としたMBO方式による親会社からの独立でした。数少ない上場物流子会社でしたが、将来の成長軌道を「自立」によって見出した明確な戦略がその裏打ちとなっています。三洋電機の商品配送センターとして創業された同社は、時代の趨勢を読み取りながら、家電製品の共同配送というプラットフォームを構築した「ベストプラクティスモデル」といえるでしょう。

今後同社が家電製品以外の取扱いを進め、新たな業界モデルをどのように展開するのか、多くの物流関係者の期待と興味が注がれます。国内に約1,000社以上の物流子会社を有する日本企業は、グローバリゼーションへの対応と国内市場の縮小化問題を同時に解決しなくてはならない待ったなしの状態です。同社のポストMBOの動向は、今後の物流子会社再編の火付け役となるか、大いに期待されるところです。

また、同社を率いる浅野代表取締役は、明るく闊達な経営者であると感じました。投資ファンドが新たな株主として参加する経営は従業員がもっとも不安を感じていたと推測されますが、浅野代表の力強いリーダーシップとその人柄が、同社の新たなロードマップを歩んでいく大きな原動力と感じました。従業員、取引先、株主、更には物流業界の期待を背負って疾走する浅野代表の、今後のご活躍を祈念いたします。



三洋電機ロジスティクス様 ご紹介
会社概要
会社名 三洋電機ロジスティクス株式会社
本店 大阪府枚方市南中振三丁目2番27号
(支店・営業所 国内 29(物流センター26)、海外1)
資本金 67億8百万円
代表者 浅野 勉
従業員数 489名(連結)(2011年3月31日現在)
株主 合同会社3PLホールディングス(ロングリーチグループ) 95%、
三洋電機(株) 5%
連結子会社 三洋ロジテクサービス(株)  北海道三洋ロジスティクス(株)
免許 貨物利用運送事業、貨物自動車運送事業、貨物運送取次業、
倉庫業、国際複合運送一貫事業者(NVOCC)
事業区分 ロジスティクス・ソリューション事業
・家電量販店等の3PL事業
・家電製品を中心とした宅配・設置事業
国内一般物流事業
・家電およびその周辺分野の大手メーカー向け物流業務事業
国際物流事業
・輸出入貨物取扱い管理代行を含む国際物流サービス(物流)、
商品の輸出入業務(商流)

三洋電機ロジスティクス(株)
三洋電機ロジスティクスの強み

運営する倉庫は、従来のメーカー物流における倉庫や物流センターの機能に加え、流通系物流に最適な3PL機能をもたせた流通センターへ進化しております(共同プラットフォーム)。これにより、メーカー側の家電量販店やGMS系への商品配送効率を高め、メーカー・流通系双方の物流効率化(=効率的配送と高いコスト競争力)を実現しております。


三洋電機ロジスティクスの事業領域
三洋電機ロジスティクス(株)

※クリックで拡大表示されます。

家電分野における調達物流、生産物流、販売物流までのサプライチェーンマネジメント(SCM)を構築。その中でも近年家電量販店向け販売物流(3PL)を得意としております。
家電量販店向けの3PLの強化、共同プラットホーム化や宅配・設置事業の強化などによる家電分野での競争力の向上とあわせて、SCMや3PLのノウハウを活かして家電以外での事業領域への進出による売上の拡大を推進しております。



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【発行日】

2011/11/4



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