ロジスティクス・インサイト「インタビュー」

ギルト・グループ株式会社
オペレーションディレクター
吉井 清 氏

第三回目は、ギルト・グループ株式会社 オペレーションディレクター 吉井 清 氏に伺います。

同社は、日本最大級のシェアをもつ会員制オンライン・フラッシュセール事業を運営しています。ラグジュアリーアイテム中心のアパレル・雑貨や、体験型クーポンサービス(ギルト・シティ)のセールスは、毎日、新レーベル・新コンセプトで展開されます。
高級ブランドが会員限定のディスカウントプライスであること、そして、販売は時限付き(セール期間は54~78時間、カートに取り置きできる時間はたった10分)という、「刺激的」で「緊急性」をもたせたマーケティング手法で爆発的人気を呼びました。国内会員数は2012年5月に100万人を突破しています。

2012年5月には、家具・家電ジャンルを扱う「ギルト・ホーム」をスタートし、新たな商品カテゴリー展開に意欲的に取り組んでいます。

こうしたサービス領域の拡充・物量拡大に伴って、マーチャンダイジングの一貫としての物流戦略は、より重要性を増しているものと推測されます。同社が日本のEコマース市場に浸透させた革新的な事業モデルのなかで、物流はどの様に位置づけられるのでしょうか。


日本上陸以降、継続的なビジネス拡大を遂げておられますが、これまでの日本での事業展開について、どのように捉えられていますか?

まず、日本で事業をローンチした初年度(2010年度)比で、2012年度の売上は3倍を超える成長となりました(*)。国内会員数は本年5月に100万人を突破し、これは昨年1月時点と比べると2倍の規模であり、着実に成長の歩を進めている、と感じています。

ギルト・グループの発祥は米国です。本国以外の国外初進出先として日本を選んだのは、ラグジュアリーアイテムへの関心、そして見識の高さにおいて、日本ほど洗練されたマーケットは他に無い、という理解に基づいてのものでした。これまでのギルト社日本法人における実績が示す通り、日本市場とわれわれギルト社の展開するビジネスの親和性は非常に高かったと言えると思います。

そして、「フラッシュセールス」というマーチャンダイジングに関して言えば、米国も日本も、購買心理への訴求力という点では大きな違いはないと考えていました。もちろん、進出にあたっては文化や慣習・競合環境についてリサーチし、理解を深めたことは、言うまでもありません。

1つ、工夫した事例をあげますと、セールの開始時間です。日本では21時きっかりにセールを始めます。これは働く日本人が帰宅してPCに向かう時間、あるいは、帰宅途中でモバイル端末にアクセスできる時間とされており、この時間に開始時間を設定したことが、当社ビジネスの普及に寄与したドライバーの一つであったとも考えています。しかし米国では事情が違い、セール開始は正午です。米国の職場は、就業中であっても、ショッピングにより寛容なのかもしれません(笑)。
今後も、当社ビジネスモデルの特異性を、iPhoneやiPadなど携帯端末を通じたEコマースへと拡張し、ソーシャル・ショッピングの先駆的プレイヤーであり続けたいと考えています。

事業の成長に伴って、物流に対する取組みに変化はありましたでしょうか?

日本進出以降の規模拡大に伴って、物量の急拡大に直面しています。既に、取扱いブランドは1,000銘柄(*)におよび、サプライヤー数も増加の一途です。今後のさらなる成長を鑑みたとき、センター業務の運営体制・拠点スペース両側面における拡張性の確保は、喫緊の課題であるとの認識を強め、この5月に委託先選定のコンペを実施したところです。

委託先選定にあたっては、もうひとつ重要な視点がありました。それは、当社のビジネス特性に大きく関わる要素ですが、月次・曜日・時間帯によって著しく異なる物流波動への対応能力です。ホリデーシーズンやA/W・S/Sシーズンアイテム入替期と、それ以外では、入出荷量に大きなギャップがありますし、オーダーが集中する特定の曜日、時間帯といった顧客の購買行動にも、物量は大きく左右されます。委託をお願いする物流企業には、BtoC物流の経験や、一定の業務品質を備えていることは大前提として、こうした物流波動に対する対応力・柔軟性について、重要な評価軸と位置付けました。

現在は、新たな拠点への移管が完了し、新規委託先によるオペレーションもほぼ安定稼動しています。今後は、改善活動を実行して、人時生産性向上への取り組みに期待しています。


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