ロジスティクス・インサイト「インタビュー」

ラサール不動産投資顧問株式会社
代表取締役 CEO
中嶋 康雄 氏

貴社が物流施設として開発物件を選定する際、キーファクター(評価軸)となる要素は何でしょうか?

「立地条件」がまず挙げられます。もちろん、消費地に隣接しているなど、地域GDPの大きさは第一の評価要素ですが、その他に3つ、重要項目があります。
それは、

①広いフロアプレート ②労働力確保の柔軟さ ③将来の住宅地化計画の有無です。

①については、複数階層に跨ることなく、広面積のワンフロアを確保することは物流集約化に不可欠であり、効率的ロジスティクスを設計できるか否かのキーファクターです。

次の労働力確保ですが、従来型のDCではなく、大規模TC需要が顕在化しており、ピッキングや仕分け・高度な流通加工作業など多くのパート従業員確保が必要です。
物件選定の段階から、住宅エリアやそれに接する公共交通機関へのアクセシビリティは、十分な検証を行います。

最後のポイントである「住宅化計画の有無」ですが、これは、開発エリア周辺についての将来の宅地造成可能性について、予め検証するということです。
現在の先端的オペレーションのトレンドは、24時間・365日稼動ですから、例えば騒音や交通渋滞などのトラブルを回避し、長期に亘る安定的投資を行う上では、重要な視点となります。

最後に、今後の物流業界の動向や、それに伴う貴社の戦略方向性などについて、コメントをお聞かせ下さい。

この10年間を振り返ると、あらゆる業界で効率化とコストダウンが希求されてきたことで、求められる物流領域は広域化し、オペレーション精度が高度化してきました。物流業界はそれに呼応し、自らの努力で進化していると感じます。

我々は不動産の切り口から、エンドユーザーにとってブラックボックス化していた物流コストを明確化するしくみを提供することで、業界の成長を後押ししてきた、と自負しています。
これからも、当社が取りうるリスクについてはリスクテイカーとしての役割を発揮し、物流業界の新化を後押ししていきたいと思います。

以上

取材後記

昨年後半より、シンガポール政府系や米大手による2,000億円規模の不動産投資法人の上場が相次ぎました。いずれも物流不動産を投資対象とした最大級の不動産投信であり、物流施設特化型REITが市場全体のけん引役として期待を集めています。

こうした活況の原動力は、ネット通販市場の急拡大です。EC市場は2011年に8.5兆円規模となり、12年中には10兆円に達すると予測されています(*3)。

こうした旧来型の流通連鎖からネット&モバイル通販への急速なチャネルシフト、そして産業構造そのものの変革というダイナミズムのなかで、物流不動産マーケットは、今後も旺盛な需要が約束される成長分野であると考えます。

多くの従来型の「保管」重視型の倉庫では、リードタイムを短縮しつつ、在庫を極小化するというSCM(サプライチェーン・マネジメント)の充足にはスペック不足となり、衣料や食品・生活雑貨など消費財のサプライチェーンを充足させるTC型(流通加工型)、かつ高機能な物流センターへのリニューアル・集約は、構造的な実需として存在していると推測されます。

1990年代に台頭した米国3PL業界は、物流不動産投信の存在なしに語れないほど、深く連携しています。日本の物流企業のスタンダートであった「自らのバランスシートに倉庫不動産を!」という発想では、その成長に時間がかかり、あれほどの急成長はなかったはずです。

昨今、製造業などで流行り言葉になっている『分業』あるいは『国際分業』という概念を、いち早くロジスティクスに採り入れた業態が3PLであり、その重要なコンポーネントである「倉庫」をスピーディーに供給する役割が、物流不動産投信だったのです。言い換えれば、物流不動産投信が3PLの急成長を強固に後ろ支えしていたのです。

日本市場における、物流不動産&物流事業者が共存共栄できる真のパートナーとしてのかたちは、それぞれの業界の成長あるいは変容にしたがって、これからも進化していくものと思われます。

(*3) 経済産業省「電子商取引実態調査」


ラサール不動産投資顧問株式会社 様  ご紹介
会社概要
本社 〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1 明治生命館5階
TEL:03-6880-2800  FAX:03-6880-2810
設立 2001年11月
URL http://www.lasalle.com/jp/
登録免許 金融商品取引業(登録番号: 関東財務局長(金商)第1544号)
・第二種金融商品取引業
・投資助言・代理業
宅地建物取引業(免許証番号: 国土交通大臣(2)第7569号)

ラサール不動産投資顧問は、ラサール インベストメント マネージメントの日本法人。ラサール インベストメント マネージメントは、世界最大の総合不動産サービス企業であるジョーンズ ラング ラサール グループ傘下にある、世界有数の不動産投資顧問会社。世界規模で、私募、公募の不動産投資活動をしており、ラサール インベストメント マネージメントの総運用資産残高は約463億ドル(2013年03月末現在)。私募、公募、デット、エクイティのあらゆる不動産投資活動を世界中の不動産キャピタルマーケット、オペレーティングマーケットで展開。主要顧客は、世界の公的年金基金、企業年金基金、保険会社、政府関連、その他基金(大学基金など)、個人投資家など。


マルチテナント型物流施設の紹介
圏央道の開通で注目の相模原エリアにマルチテナント型物流施設を開発

~2棟延床面積370,000㎡ 東京ドーム約8個分~


■ 施設概要(予定)
ラサール不動産投資顧問株式会社 施設概要
(仮称)ロジポート橋本
所在地 神奈川県相模原市緑区大山町
403番1(地番)
敷地面積 67,748.64㎡
延床面積 約162,000㎡
構造 SRC造(一部S造) 地上5階建、
免震構造
設計監理監修 株式会社三菱地所設計
設計監理施工 株式会社大林組
着工 2013年10月
竣工 2014年秋
ロジポート相模原
所在地 神奈川県相模原市中央区田名字
赤坂3700番3他(地番)
敷地面積 94,197.27㎡
延床面積 210,826.02㎡(予定)
構造 RC造(梁・柱PC) 地上5階建、
免震構造
設計監理監修 株式会社久米設計
設計監理施工 株式会社大林組
着工 2012年7月
竣工 2013年8月末(予定)




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【発行日】

2013/06/06



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