ロジスティクス・インサイト「物流オピニオン」

成果を出す倉庫作業改善のポイント


倉庫作業の状況と問題点

倉庫作業改善に取り組むにあたり、まずは倉庫作業で必ず発生する現象と問題点を確認します。

●ケース1:人をまとめて投入して短時間で処理している。(倉庫内に人が集中している)

【現象】
倉庫内の作業工程ごとに作業員を集中させることでまとめて作業する。一つ一つの工程を順番に完了させながら次の工程に進む(=渡り鳥作業)。 全体で活用できる時間を考慮せず、とりあえずできる限り人の手で作業を進め、順番に次工程に広げていく人海戦術方式です。

【問題点】
仕事量が多いからといって工程に人をまとめて投入すると、忙しく人が『動き』回るため業務が進んでいるように錯覚するかもしれません。しかし実際はムダの塊になっているのです。

問題①ムダな『動き』が発生する
人が集まって作業することで、ひとりひとりの作業スペースが考えられた物の配置でなくなります。限られたスペースで作業することで、物を動かすのでなく、人が動くことになります。その結果、移動のムダ、置き直しのムダ、動作のムダが発生することになります。

問題②異常がわからなくなる
人が集まって作業すると、思い思いのモノの配置や作業手順で作業をすることになり、作業基準が守られなくなります。その結果、基準時間などが守られず作業者それぞれのやり方でそれぞれのペースで作業することになり、異常がわからなくなります。

問題③スペースが広がる
人が集中するということはそのためのスペースが必要になります。立つスペース、作業テーブルのスペース、物を置くスペースをまとまって確保することになります。

●ケース2:工程別に人とスペースを分割している。

【現象】
作業工程を区分し、工程ごとに人員とスペースを確保している。モノを移動することによって工程間をつないでいる。(=分断作業) 初めに組み立てた現場工程がそのまま残ったことで工程間を繋ぐ動きが残っている。

【問題点】
問題①タッチ回数が多くなる 作業が分断されていると工程間で物の受け渡しが発生します。物の移動、受け渡しは付加価値を生む動作ではなく、単なる無駄な動きといえます。

問題②手待ち、滞留の発生
工程が分かれるとそれぞれの工程によって作業スピード差が生じます。後工程が前工程より作業が早い場合、後工程に手待ち時間が発生することになります。またその反対に前工程が後工程より作業が早い場合、後工程との間に滞留が発生することになります。

問題③広いスペースが必要になる。
工程が分かれることで、それぞれの工程の作業スペースが必要になります。工程が分割されるにつれて、作業自体のスペースと合わせて物を受け渡すための滞留させるスペースを確保することになります。

問題④動線がのびる、歩行が増える
工程が分かれることで工程間を繋ぐための歩行が増え、作業スペースが広がることで細かな歩行も増えることになります。

●ケース3:倉庫に仕掛り品が滞留している。
【現象】 
倉庫に物があふれている。その理由も在庫過多や保管スペースの不足ではなく、作業スペースの周辺および通路に物が滞留している。物が置かれている場所も所定の決められた場所ではなく、通路をはじめとした空きスペースに物を仮置きしてまかなっている。

【問題点】
問題①滞留品によって現場の異常が見えなくなる
滞留品によって現場の正常が見えなくなります。必要な量が次工程に順次流れる現場は物が滞留すると異常発生がすぐに確認できます。一方、慢性的な滞留が発生している現場では異常ばかりが目に付き、何が正常かわからなくなります。生産性は悪いのはわかっているが、何から手をつけたらよいかわからないといった現場の多くがこれにあたります。

問題②滞留品によって無駄な動作が生まれる
滞留品は倉庫の中にスペースを必要とします。それによって余計な歩行や物の移動が発生し、基準外の時間が必要になります。

●ケース4:作業進捗は経験測を元に感覚でコントロールしている。(作業者任せ)
【現象】
場の基準値及び作業進度に明確な基準を設定しておらず、現場担当者の感覚でコントロールしている。特に熟練者の多い現場ではよくみられる光景です。熟練者の頭の中で仕事量と終了時間が組み立てられている。仕事量の増減に関係なく概ね同じ時間で作業終了する現場です。

【問題点】
問題①作業員任せで現場が動いている
倉庫作業現場で基準とルールが明確に決まっていない現場は、作業員の采配や作業スピードに任せることになります。その結果、作業者にコントロールされた現場ができあがってしまうのです。作業量に関係なくいつも同じような時間に業務完了している様な現場はまさにこの状態といえます。

問題②異常が把握できない、改善できない
作業ルールや進捗管理が視えないと現場の異常が見えません。異常が見えない現場では何が異常で何が正常なのかの判断がつかないため改善の焦点も合わず、着手できないままになります。何かおかしいが何をしたらよいのかわからない状態が続くのです。

●ケース5:改善活動が継続しない
【現象】
一度は「勢い」で改善された現場も、それ以降の変化が無くなります。または一度施した改善も以前の作業方法がやり易い、早いと判断されて元の作業方法に戻してしまうことが多々あります。現場は変化を嫌い、管理者も現場の現状を数値で把握できず、問題まで把握できていないため改善策が出てこない。

【問題点】
問題点①改善を検証できない
もともとの現場の問題点、改善の目的、目指すべき効果を理解せずに改善に取り組んだ結果、その取り組み効果を定量的に検証できず、慣れから判断して現場を元の状態に戻してしまう。

問題点②改善の必要性を感じていない
現場作業員が現場改善の必要性を感じていない。自分たちの仕事場(=倉庫作業)を維持するためには現場改善が必須であることが認識されていない。


>> 次ページ 「結果・提言:効果を出す倉庫作業改善の取り組み」

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