ロジスティクス・インサイト「物流オピニオン」

成果を出す倉庫作業改善のポイント

 国内のトラック不足は更に深刻さを増しています。この状況は東京オリンピック開催の2020年をピークに、その後も大幅な解消は見込めないと考えます。その第一の要因はドライバー不足であり、物流業界における積年の課題が顕在化した結果とみるべきでしょう。
 物流業界の課題はトラックドライバー不足に限ったものではありません。倉庫作業の労働力不足も顕著に現れており、その影響は今後大きな問題として物流業界に圧迫するでしょう。
 
 そのような環境の中、『物流コストアップの抑制』という切り口でみると、他社リソースに頼らざるを得ない『トラック運賃』が上昇傾向にある中、自社努力で効率向上を実行できるのが『倉庫作業コスト』の領域です。
 作業員の募集が困難な中、労働力を保持するために人材派遣が多用され、通常の作業員(直接雇用のパート、アルバイト等)の時給と比較して20%近くコストが上昇します。現場作業員の時給上昇は荷主企業の物流コストを上昇させ、物流企業の収益を悪化させます。
運賃上昇がそうであったように、物流企業が荷主企業へ作業費の値上げを要請するタイミングはもう間近です。
 
 今回はこれからの労働力不足時代にこそ取り組まなければならない『倉庫作業改善』に注目し、確実に改善効果を出すための視点と活動ポイントを提言します。


変化する物流コスト事情
1.運賃の上昇

 2014年からの運賃トレンドは、留まることなく上昇傾向にあります。ドライバーを就職先として選択する人材が不足しているため、配送できるトラック数が減少しています。
 結果として運賃上昇を引き起こし、解消される見込みが立ちません。ドライバー職が不人気な理由は①給与水準が低い②ドライバーになるための障壁(免許が必要)がある③労働時間が不規則である④3K職場(きつい・きたない・危険)であること⑤長距離ドライバーは家に帰れない。などがその理由として挙げられます。
 この環境が改善され、他の職業と比較して魅力あるものにならなければ、稼動できるトラック台数(ドライバー従事者)が増加することはなく、ひいては運賃上昇トレンドが収まることが困難になります。

成果を出す倉庫作業改善のポイント

2.倉庫作業員時給の上昇

 右の図は『三大都市圏(首都圏・東海・関西)の製造・物流・清掃系 平均時給推移 直近36か月の動向』(出所:リクルートジョブズ)で製造業物流・清掃業の作業人件費の変化を表しています。2011年5月度から景気上昇に合わせ店舗販売などその他業界の採用も活発になると、労働環境や作業負荷などからみて、物流業界への就労が敬遠されることになります。
物流現場では求人を出しても応募者が集まらず、パート時給を上げることでなんとか集めようとします。しかし、新しく採用するパート作業員が高い時給で、既存の作業員が時給据え置きというわけにもいかないため、既存作業員の時給はそのままで、あとは人材派遣でしのいでいるのが現状です。一層のコストアップを招く悪循環になっています。
 上記に挙げた『1.運賃の上昇』『2.倉庫作業員時給の上昇』は企業の物流コストを大きく上昇させます。国内企業の傾向をみると『①運賃』と『②倉庫作業コスト』でトータル物流コストの約60%~80%を占めます。もちろん企業によって多少のコスト構造は異なりますが、物流コストの大半が上昇基調にあることは間違いないのです。
 そのような中で今後の物流コスト上昇の抑制、あるいはコスト削減策の一手として最も効果が期待できる取り組みが『倉庫作業改善』です。人件費上昇はもとより労働力の確保が困難な時期だからこそ倉庫作業に注目するべきなのです。

成果を出す倉庫作業改善のポイント


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