ロジスティクス・インサイト「物流オピニオン」

今後の企業成長を担う「RPA」


5-1.RPAが物流業界に与える影響は

 「RPA」は物流業界にも様々な部分で良い影響を及ぼすと思われます。
例えば、人手不足の解消です。現在倉庫が密集しているエリアでは人手不足が顕著に表れており、アルバイトスタッフの争奪戦になっています。争奪戦になっているということはいかに他の企業の求人条件と差別化を図るかということが重要になってきます。差別化を図るには時給を高く設定するか福利厚生を充実させるかなどする必要があり、追加コストが嵩んでしまいます。
弊社のクライアントでもそのような状況に陥っている荷主や物流会社が多数あります。
そのような状況に陥っている企業が「RPA」を導入することで定型業務を行っている事務作業員の削減することが出来ます。また、RPA導入により定型業務に従事していた方を非定型業務に振り分けることで、これまで以上にレベルの高い組織集団を形成することが可能となります。そうすることによって、人件費の削減や人手不足の対策になると同時に求人募集コストの抑制にもつながります。

一見、物流現場のどの部分に「RPA」を導入するのかイメージが付きづらいかと思いますが、 以下の業務が「RPA」によって置き換えられる可能性のある主な業務です。

① 受発注業務
② 経理業務
③ 各種伝票入力・出力
④ 求貨求車マッチングと付随する決済業務
⑤ 貿易書類の作成・申告

 最も大きく影響を与える具体的な業務として挙げられるのは受発注業務です。受発注業務は物流のみの業務ではありませんが、物流に大きく関わる業務の一つです。受発注業務は典型的な定型業務であり、最も重要な業務の一つです。
毎日同じフォーマットに同じルールの基、発注情報が記載されており、それを受注担当者がルーティーンで毎日受発注システムへの入力作業を行っているかと思います。 弊社にて支援している荷主にも毎日10人~12人が1日をかけて受注情報の入力を行っているような企業も存在しています。
それが「RPA」によって置き換えられたとしたら、今まで受注入力業務を行っていた人は電話応対と受注情報をスキャンしPCに取り込むという作業のみとなり、後の作業は「RPA」が全てやってくれることになります。今まで半日かかっていた業務を大幅に短縮することができます。更に電話応対やスキャン業務も、自動応答システムやOCRソフトウェアの進化によりいずれ自動化されます。その為、人はその他の業務に作業時間を再配置することが出来るようになります。

5-2.RPA事例

 日本でRPAを導入している事例としては他業界と同様に経理や受発注などが挙げられます。物流事務でRPAを導入している例はあまり挙げられていませんが、ヨーロッパにて配送スケジュールをRPAにて調整、決定している事例があります。配送業者、配送スケジュールの決定をRPAに置き換えたところ入力ミスがなくなり、年間約15万件の配送に対応可能となりました。これに伴う事務作業時間約4000時間の削減に成功したとされています。
実際、日本では物流関連の事務へのRPA導入は進んでいないように見受けられます。日本では「RPA」はまだ普及し始めた段階にあるため、より定型化しやすく時間のかかる業務からの導入をしていることが要因ではないかと考えています。

6.最後に

 今回は「RPA」について述べてきました。
現在、物流業界で作業の効率化や人手不足がフォーカスされている部分は庫内作業やドライバーです。
しかし、その他にも効率化を図るべき点や省人化できる業務がたくさん存在しています。 コストをかけずに効率化や人手不足を解決することは難しくなっていますが、「RPA」は初期費用が掛かるものの各新聞やニュースになっている導入各社の事例からも費用対効果が高いことが窺えます。
ただ、冒頭にも書かせていただきましたが、「RPA」であったらどこの製品でも良いというわけではありません。貴社に適した「RPA」を見つける必要がありますので、きちんと情報収集とコスト試算を行った上で導入検討をしていただければと思います。


以上

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【発行日】

2018/5/1


【執筆者】

小倉 裕太

船井総研ロジ株式会社 ライン統括本部 コンサルティング事業部 東京グループ




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