継続こそ力なり 

当社取締役執行役員「赤峰誠司」が、ロジスティクス業界専門家として、
物流に関連するテーマで綴った渾身のメールマガジンです。
製造・卸・小売の物流ご担当者、物流事業者様など、物流に携わる人必見です。




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配信日: 2014/08/24


第257回 変貌する物流戦略 その3 「物流業界における”ジャパン・クオリティ”」

執筆:赤峰 誠司

■「攻撃的な市場価格」

陸運業界は「攻撃的な市場価格」によって疲弊し、その反動として発信された昨今の運賃
改定要求は、冷静に現状の物流業界における内部環境を観察していると、至極当然のこと
と思われます。

その理由は、どの国内輸送モードにおいても、本質的に利益を出せる適正運賃とは程遠い
「攻撃的な市場価格」が永らく続けられていたことに起因します。

「攻撃的な市場価格」とは、マーケティング段階における市場参加者が、優先的なシェアを
確立させるために同業他社を排除する施策であり、本来継続される類いではないレベルの
価格であることを言います。

それが物流業界においては、BtoB、BtoC、長距離幹線輸送、一般貨物輸送などあらゆる
輸送モードにおいて、際限なき競争が繰り広げられてきました。その背景には、長期に
わたる全産業的なデフレ傾向により、荷主企業からの原価逓減圧力が相当加わっていた
ことは間違いありません。

更に、デフレ時にもかかわらず拡大戦略に脅迫された物流事業者間の競争、そして規制緩和
や規制強化が加わり、原価を軽視した大不毛競争へと業界 全体が突進していったのです。

この「軽視された原価」とはズバリ『人件費』のことを指します。

運送事業者にとって、競争によって下がり続ける収入(運賃)環境の中で、ドライバーの
賃金や待遇を引き上げることが永らく出来なかったことが痛恨の極みと言えるでしょう。

このドライバー待遇の厳しさが、現状のドライバー不足へとつながったことは容易に推察
できます。

アベノミクス効果により、景況上昇につられて業界環境も好転しましたが、ドライバー不足と
原油高という大きな二つの壁を乗り越えることが急務となりました。

ただし、減り続けたドライバーを急激に増やすことは容易なことではありません。
トラック(ハード)を増やすこととは全く次元の違う話です。質の高いドライバー(ソフト)
を採用・育成するためにはドライバーの待遇改善が求められるのは自明の理なのです。

結果として運輸業界において生き残り、且つ成長し続けるためには、運賃値上げは自然の
流れとして発生した「当然の事象」だと考えますが、読者の皆様はどのように認識されて
いるでしょうか。

■日本における、構造的な物流コスト

日本の物流コストは、欧米として割高だといわれ続けています。
欧米に比べると、狭い日本国内の輸送に何故割高な運賃が掛かってしまうのでしょうか?

その主たる理由は、以下5点ではないかと考えます。

(1)割高な燃料費
(2)割高な施設費:倉庫、ターミナル等の地代、建築費が高い
(3)割高な人件費:ダイバーシティ(多様化)の遅れによる高コスト構造
(4)高度に均一化されたサービス・レベル
(5)規制緩和による競争激化

これら5項目の中で、今一度考え直すべき点が二つあります。

一つめは(3)割高な人件費です。

他民族国家ではない日本においては、働き手のダイバーシティ(多様化)に対する企業側の
受け入れ制度やシクミにおいて、欧米と比較してその柔 軟性に遅れが見受けられます。
労働集約産業である物流業界においては、労働力の多様化を意識した標準化や平準作業
体制の構築が急務であると感じます。

二つめは(4)高度に均一化されたサービス・レベルです。

この象徴的な事例は、宅配便による全国翌日配達率です。 差別化された特定企業だけが
提供可能なサービスレベルであった「翌日配達カバー率」を、我々消費者は全ての宅配
事業者へ求めてしまいました。

この結果「宅配便は翌日着いて当たり前。後は少しでも料金が安ければ良い宅配便」という
宅配便事業に対するレッテルを貼ってしまいました。

当然ながら、荷扱い品質や不在時の再配達サービスの充実度など、差別化されるべき
ポイントは多々あります。

日本の消費者は、配達の迅速性、高品質、廉価な運賃と輸送コストに関わる全ての要因を
全ての宅配サービスに求めることとなり、ここに輸送版「ジャパン・クオリティ」が固定化
されてしまったのです。

・・・次回に続く。




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-赤峰誠司-
3PLにおけるSLA(サービス・レベル・アグリーメント)の企画・設計導入に注力し、
荷主企業物流部門の利益創造活動を信念とする。
最近ではM&Aのアドバイザリー活動に引き合いが多く、物流企業M&Aや、
荷主物流部門のMBO(マネジメントバイアウト)に携わり、業界専門家としての
バリュエーション(企業価値評価)レポートを得意とする。


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