コファス・カントリーリスク・レポート

世界有数の信用保険会社であり、世界経済アウトルックやカントリーリスク評価を行う国際機関 コファス社による、 各国・各地域のカントリーリスクに関するプレスリリースをお届けするページです。

発行:コファスジャパン信用保険会社


コファス・カントリー・リスクReport Coface

米自動車部門は無事にトップギアにシフトしたのか

2015年4月15日 パリ

800億ドルのコストと大規模なレイオフを伴った自動車産業の救済は、米国のトラウマとなっている。米自動車メーカーは今、競争力を回復し、米国の経済成長の回復から追い風を受けている(2015年は2.9%の予想)。業績は上向いており、ローンの利用が容易になったこともあって需要は好調だ。だが、価格面ではどうだろうか。コファスのモデルによる予測では、2015年(※1)の売上高の成長率は3.8%と安定的な水準ではあるが、ここ数年記録されたレベルは大きく下回っている。
自動車部門は、引き続き、行く手に待ち構える新たな挑戦に対応するために必要な今後の変革を見据えていく必要があろう。

?
国内消費、さらに最近では投資増大に支えられた回復

米国の自動車販売台数は、金融危機の打撃による35%という急落に見舞われた後、2014年には2007年当時の水準を回復した。最近の石油価格の下落(2014年は48%低下)がこれに貢献しているのは明らかだ。だが、危機の際にあまりにも深刻な打撃を受けた自動車部門の回復には、この他にも二つの大きな要因が働いている。

第一に、ここまで米国経済が回復してきたということは、これまで家計は超低金利の恩恵を受けられたということを意味する。融資が利用しやすくなったことで家計の購買力が増し、車の買い換えが可能になった。こうした生活水準改善の背景には、物価の上昇ペースを賃金の上昇ペースが上回ったこともある。失業率の低下に伴い、企業は熟練労働者の賃金を引き上げつつある。これらすべてが米国家計の自国経済に対する信頼感の水準を押し上げるのに貢献している。

第二の要因は、明るい経済状況に促されて、自動車部門の企業が国内に生産を移しつつあることだ。製造プロセス自動化への投資によって、人件費と立地との相関関係は低下している。結果的に、わずかな例外を除いて、世界の主要自動車メーカー、自動車装備メーカーは現在米国に生産拠点を置いている。連邦/州当局は自動車部門に手厚い支援を提供しており、政策金利を引き下げ、支援政策を導入している。米国の二大メーカー向けには、「スクラップインセンティブ」と金融支援が行われている(GM及びクライスラーに注入された資金は約800億ドル)。

 

自動車への幻滅はあるか

だが、失業率の低下は若年層には及ばない傾向がある。「ミレニアル」(※2) と呼ばれる若年層は、上述のような好循環に十分に取り込まれておらず、職を見つけるチャンスを最大化しようとして学校教育に留まる年数が長くなっている。その結果の一つとして、彼らは教育ローンによる多額の負債を抱えている。こうして、彼らは自動車の購入を先送りするか、高リスクのローン利用者となる。さらに彼らは、自動車を保有することをあまり重視せず、代替的な交通手段の利用を増やしているように思われる。これは「自動車こそ王様」だった米国においては意外な事実だ。20?29歳グループにおける運転免許保有者数は1995年から2010年のあいだに9%減少した。自動車に対してある種の幻滅が生じている兆候である。

また、低金利ローンが利用しやすくなっていることにはマイナス面もある。銀行は、融資残高に対する収益性を高める狙いで、「サブプライム」区分に該当する利用者に対してもより多くの融資を提供するようになっている。この区分にはいわゆる「ハイリスク」家計が含まれ、債務不履行件数は大幅に増大しており、2015年もそれが続くだろう。

もう一つの不安要因は、連邦準備制度が今年中に金利を引き上げる可能性が非常に高いことだ。大きな債務や変動金利ローンを抱えた家計にとっては負担が増し、彼らが自動車の処分を急がざるをえなくなる可能性もある。

 

変革に注力する自動車産業

自動車メーカーは、供給を調整し、以上のような変化しつつある需要に対応するモデルを確定する必要がある。新型モデルが消費者の欲望を刺激することによって販売推進に直接貢献する、自動車産業のようなサプライ主導の部門においては、強力な研究開発投資が必須になるだろう。

 

※1 対2014年比。
※2 「ジェネレーションY」「Y世代」とも呼ばれる。

 

 


連絡先:
ジョナタン・ペレズ
Tel   03 5402 6108   
E-Mail jonathan_perez@coface.com

- コファスとは -
コファス・グループは国内及び輸出取引における債務不履行をカバーしながら、全世界の企業に売掛債権管理のソリューションを提供しています。201年、同グループは1億4千ユーロの連結売上高を計上しました。66ヵ国にて4,400名のスタッフが世界各国で現地サービスを提供しています。コファスは四半期毎に、企業の決済動向に関する独自の知見と350名のアンダーライターたちの専門知識に基づいた、160ヵ国についてのカントリー・リスク評価を発表しています。
フランスでは、コファスは国に代わって輸出保証を行なっています。
コファスはBPCEグループ(Banque Populaire Caissed'Epargneグループ)の投資銀行及び企業向け金融サービスに特化した銀行であるNatixisの子会社です。

コファスロゴ
www.coface.jp
コファスジャパン信用保険会社様   HPへ



物流コスト削減 物流戦略策定 グローバル物流戦略 物流コンペ実行・成功支援 物流子会社診断・戦略構築
funai物流カレッジ 物流担当者のお悩み相談 資料請求
旬のテーマを掘り下げるロジスティクス・インサイト
物流用語 コファス


Pマーク

個人情報保護方針

個人情報の利用目的の公表について

ソーシャルメディアポリシー



物流に役立つ無料メールマガジン
物流情報を無料でダウンロード資料でお届け