コファス・カントリーリスク・レポート

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GCC諸国の銀行が、新たな景気循環に対応するために流動性の管理を微調整する必要に迫られている - コファス・エコノミック・レポート

2017年7月19日 パリ

• エネルギー価格の低迷とGCC地域を通じて見られる政府支出の減少が融資に圧力を及ぼしている
• この景気にもかかわらず、2017年にはGCC諸国における融資の拡大は4.9%と堅調
• 銀行は2017年及び2018年には、融資先をより慎重に選ぶようになる
• 市況の逼迫により、異なる資金調達の選択肢を検討

原油価格の低迷:事業資金調達に与える影響は様々

原油価格の低迷は、湾岸協力会議(GCC)諸国の資金流動性に影響を及ぼしている。これによって政府歳入の伸びの減速化、銀行セクターの流動性の引き締め、資金調達コストの増加、そして経済成長の低迷(コファスの予測では2017年に2.1%)などが生じている。コファスのレポートは、政府助成金がさらに規制されれば、預金額の伸びがさらに鈍化し悪化すると分析している。

地域全体を通じて、銀行間金利は上昇し、マネーサプライは減速した。この状況は、地域内でも最も財政・外部バッファの少ないオマーンとバーレーンにとっては特に懸念すべき事態である。これは、UAEやサウジアラビアなど強い財政バッファの恩恵を受けている他の諸国と比べて、この二カ国においては流動性の引き締めが企業の資金調達により深い影響を及ぼしていたことを意味する。

全体として、2017年には融資の拡大は4.9%と堅調に推移すると見られる。しかしながら、2012年から2016年には平均年間成長率9.2%を記録していたことを考えると、はるかに低い数字である。

コファスのエコノミストであるSeltem Iyigunは次のように語る。「リソースが限られるため、銀行は2017年及び2018年には、融資先をより慎重に選ぶようになるでしょう。これは、特に比較的高いリスクを抱える中小企業の資金調達を苦しいものにすると思われます」

 

資金調達にあたって資本市場が果たす役割は拡大する

原油価格は2014年半ばから2016年1月までに75%以上下落し、その後85%ほど値を戻している。原油価格の下落は多くの国で財政状況と景気の悪化に繋がり、一部の国では、優先度の低いプロジェクトのキャンセルや一部の助成金のカットなど、緊縮財政政策を取り始めている。

コファスの中東諸国のCEOであるMassimo Falcioniは、次のように語る。
「湾岸諸国の銀行システムは、石油価格の下落による新たな課題に直面しています。米国の金利上昇に伴い、資金調達費用は増加しました。これにより、米ドルに対して固定相場のUAEディルハムは否応なく影響をうけます。また、最近のバーゼルIIIの要件に従い、銀行は2018年から2019年にかけて高額に相当する良質の流動資産を保有していなければならなくなり、資本調整が必要になります」

コファスのレポートは、石油への依存度の高さが、地域内各国の政府歳入の足を引っ張った点に焦点を当てている。これはひいては、銀行セクターの流動性と企業の成果に影響した。地域内の2017年予算においては、公共支出が削減され、そのため重要なプロジェクトのいくつかは延期されるだろう。これにより、企業のキャッシュフロー管理はより困難になり、銀行にとっては、主な収益源の一つである大型プロジェクトに資金提供する機会が限られる。

「GCC諸国の銀行は、新たな景気循環に対応するために流動性の管理を微調整する必要に迫られています。経常黒字は減少し、各国の財政黒字が赤字に転じています。銀行システムに流動性を蓄積させる公共セクターの能力も、大幅に低くなっています」とFalcioniは付け加えた。

低い原油価格はまた、一部のGCC諸国に、財政赤字を埋めるために自国のリソースを使う状況を余儀なくさせた。現在の事業環境においては、資本市場の果たす役割が大きくなる可能性がある。国際債券市場にアクセスすることによって、GCC各国政府は流動性圧力を緩和し、民間部門に回せる資金を調達することも可能になる。2016年、GCC各国政府は国際債券発行を通じて合計389億ドルを調達した。原油価格が回復しても、これらの国は2017年も引き続き債券市場に進出するものと予想される。コファスのレポートによれば、2016年、GCC各国政府は国際債券発行を通じて合計389億ドルを調達した。この傾向は2017年も続くと予想される。

「流動性の引き締めは、中小企業など民間の資金調達を圧迫するだけでなく、支払い能力や不払いに伴う取引リスクの増大にも繋がります。この環境下では、非石油セクターの継続的拡大を安定化させ、さらに加速させるためにも、貿易システムを保護することが強く推奨されます」とFalcioniは結論付けた。

流動性の引き締めはまた、資本ニーズに合わせた新規株式公開や未公開株式投資ファンドなど、企業による資金調達ソリューションの実施に繋がっている。

 


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