船井総研ロジ物流コンサルタントの視点

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執筆者:船井総研ロジ株式会社物流コンサルタント     編集/発行:船井総研ロジ株式会社


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配信日: 2017/10/25


第40回 求められる物流子会社の実行力

最近、コンサルティングのご相談をいただく場面で、どこでも出る話が「運賃
値上げの動向」と「物流に関わる人材不足」の話です。
そして、その対策を検討し始めると話は大元の『物流戦略』に行きつきます。
前述の問題の原因が短期で解消されるものではないため、今後の方向性を長期で
策定する必要があります。
そのような流れの中で私が特に注目しているのは『物流子会社の動向』です。
子会社に物流を専門的にみる企業を設置している荷主企業にとって、中長期の
物流戦略を検討するということは『物流子会社の役割』を検討することに
直結するのです。
そこで今回は荷主企業の動きから見えてくる物流子会社がとるべき方向性に
ついて考察します。


物流環境の変化はどの企業にも同様に忍び寄っています。
しかもその内容はドライバー不足に起因するトラック不足。
ドライバー不足は短期に解消されるものではありません。
倉庫作業者をはじめとした物流業界の人材不足も同様です。
ドライバーや倉庫作業者及び物流に関わる営業職、専門職にとって魅力ある
仕事にならなければ、人材不足が解消されることはありません。
物流業界の賃金レベルが上昇し、雇用が充足するほどのコストUPを荷主企業が
広く受け入れる状況になることは困難なことではないでしょうか。
そこで現実を見据えて荷主企業が自社の物流を見直すと、コストUPを抑制する
策が必須になります。
まさにこの時点で物流子会社の在り方が問われることになります。
『回避できない値上げ要請に対してどのような具体策を打つのか?』
『その時に物流子会社はどのような役割を果たすのか?』
荷主企業から見ると『運賃の上昇は回避できないにせよ、他のコスト抑制施策で
上昇分を吸収したい』ということです。
ここで物流子会社がやるべきことは一つです。
『物流子会社主導で親会社の物流コストダウンを実行すること』これに尽きます。

この局面でその役割を担えるのか否かによって、今後の位置づけが決まる
といっても過言ではありません。
荷主から見ると、通常の物流は問題なく流れて当然と思われがちで、現場に
おける実際の貢献とその評価にはGAPがあります。 
荷主企業及び親会社の物流に対する欲求が高まる今こそ、貢献を目に見える形で
見せることが存在意義を大きく変えることになります。

そのためには物流子会社が取り組むべきことは下記の6項目になります。
① 親会社の物流を客観的にみた中期の物流課題の抽出
② 輸配送網の見直しに合わせた拠点配置案の立案
③ 倉庫作業人員を抑制するための倉庫作業改善策の立案
④ 作業改善及び倉庫面積を効率活用するレイアウト改善策の立案
⑤ 路線便の代替えとなる区域配送便導入策の立案
⑥ 情報プラットフォーム機能の強化

『①』で物流の専門的な視点と親会社の業務知識を最大限生かした問題点、
課題を抽出します。
『②』で大きな視点で親会社の物流網を見たあるべき姿の策定
(先を見据えたあるべき姿を想定したうえで、改善策定する必要があります)
『③④⑤』では具体的なコスト抑制の実行策を立案してください。
先ずは①②をベースに③④⑤の実行力が必須です。
③④⑤で結果を出すことで、そのあとに全体像のプランニングと実行で貢献
していくことになります。
『⑥』はシステムを用いた管理を意味します。
荷主企業では販売管理システムを運用していますが、それが物流情報と連動している
ケースは稀なことです。
「どこ?に何?を何個?販売価格 何円?で販売したのか?」は管理蓄積されて
いますが、それが「何梱包?で運賃 何円?」で配送されたのか?は管理されて
いません。
物流子会社はその隙間を物流システムで埋め、販売情報を物流情報に変換する役割と
実態データを蓄積する役割を担うことができると存在意義に一つ変化が生まれます。

 『③~⑤』で具体策を立案し、結果を出すためには現場を変える現場力は必須です。
「作業、保管の設計力」「必要な配送網を保有した物流企業を活用する構築力」など、
物流子会社が今持たなければならない力は具体的になっています。
物流子会社は親会社から催促されて動いているようでは存在価値が評価されている
とは言えません。
業界全体が急速に変化しているからこそ先んじて動くことが求められています。
物流子会社の各社様はぜひアクションを始めてください。
いま求められているのは“実行力”です。

 

以上
 

 

筆者
船井総研ロジ株式会社 
ライン統括本部 コンサルティンググループ 
副部長
渡辺 庸介

 筆者プロフィール




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