コファス・カントリーリスク・レポート

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トルコ、活発な成長を記録も、外部要因に対する脆弱性は高まる

2017年12月19日 パリ/イスタンブール

2017年第1~第3四半期、トルコ経済はかなりの成長を遂げ、2016年に一連の衝撃的な出来事があったにもかかわらず、大方の期待を上回った。
トルコ経済を支えた要因は、政府の対策、投資の増加、輸出の増大、個人消費の回復である。
主要な脆弱性としては、借入による資金調達、グローバル金融投資家への依存度の上昇、不安定な為替レート、そしてインフレ率の上昇がある。

 

期待を上回る成長の持続

トルコ経済は2017年第1~第3四半期に、前年比7.4%とかなりの成長を記録した。2016年にはトルコで衝撃的な出来事が続いたにもかかわらず、これだけの成長が達成された。2017年第3四半期のトルコ経済は前年比で11.1%成長となり、G20諸国のなかで最も速いペースとなっている。成長の主な牽引役は、政府による景気支援策、投資の増加、輸出の成長、そして個人消費の回復である。

経済にとって最大の追い風となったのは、政府による中小企業支援策である信用保証基金(Credit Guarantee Fund、CGF)が640億ドル近く(2500億リラ)まで増大したことである。CGFによって実質的に国家が融資申込みの際の保証人となった。

また投資も、2017年1~9月には7.9%増加した(2016年の同時期は2.7%)。投資全体を主導したのは、第3四半期に12%と急増した建設投資、また最も重要なのは(生産能力増大の先行指標となる)機械・設備類への投資が15.3%伸びたことである。個人消費はしっかりした増加を見せ、特に耐久消費財が伸びた。これは、白物家電や家具などの製品に対する包括的な減税が経済に与えたポジティブな効果を反映している。

財・サービスの輸出は、2017年第1~第3四半期に前年比で13%上昇し、経済を力強く支えた。GDP成長に対する貿易の寄与は、第1~第3四半期に1.4パーセンテージポイントとなっている。欧州の景気回復は、引き続きトルコの輸出実績にとって追い風となっている。生産は好調で、製造・建設セクターが加速し、サービスセクターも順調だった。

こうしたポジティブな環境のもと、個人消費の成長は2018年上半期を通じて維持されるものと期待されている。さらに、2019年には大統領選・国会議員選挙が控えており、投票を前に経済活動を支えるため、トルコ政府が2018年末に向けて新たな景気支援策を打とうという気になる可能性がある。

 

外的要因への脆弱性を考慮すべき

以上のようなポジティブな予測があるにもかかわらず、構造的な過少貯蓄が引き続きトルコ経済に対する最大の脅威となっている。政府のCGF制度により銀行の融資意欲が高まり、銀行セクターにおける預貸率は、2017年下半期に125%まで高まった。銀行セクターのリスクへの影響以外にも、この過少貯蓄という状況により為替レートに関連する課題も倍加しており、為替変動に対するトルコの脆弱性は増し、投資家心理を悪化させている。これらの要因により、今後数年にわたって内国直接投資が頭打ちとなる可能性がある。

トルコが為替レートに関して抱える問題は、経常赤字を相殺する資金調達が、主として短期資本の流入によって手当てされていることに関連している。現状でも比較的少なめの内国直接投資が縮小するようなことがあれば、トルコは対外収支のギャップを手当てするために、ますます短期資本に頼ることになる。こうなればグローバル金融投資家に対するトルコの依存度が高まり、為替レートのショックに対する脆弱性を増すことになる。

この他に想定される課題として、トルコは銀行融資の金利上昇を警戒すべきである。国内における投資の活力に対する重要なリスクになるからだ。トルコの金利は高い水準に達しており、企業セクターにおけるキャッシュフロー管理の障害となり、また新規投資に向けた企業の意欲に悪影響を与える恐れがある。

以上のような経済状況のもとで、米ドル及びユーロに対するトルコリラ安により、インフレ率は今後も上昇する可能性が高い。リラはこれら2通貨に対して9月以降下落しており、消費者価格・生産者価格両面において、インフレに対する上昇圧力となる可能性が高い。物価上昇と増税がリラ安と重なれば、購買力低下を招き、個人消費に重しとなる可能性がある。


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