輸送経済新聞コラム

当社の取締役執行役員 赤峰誠司がロジスティクス業界専門家として、3PL企業の生き残り戦略をテーマに「輸送経済新聞」へ綴った連載コラムです。

【物流塾】 3PL企業の生き残り戦略[11]
物流子会社の3PL (1)「外販」確立へ使命変化

2015年6月2日掲載

 日本の3PLを考察する上で欠かすことのできない存在に物流子会社がある。物流子会社こそ、今後どう生き残るべきかの岐路に立たされているといえる。
 物流子会社の役割・使命は時代とともに変化を求められてきた。日本での創業時、倉庫や配送業務を実行する機能社会として、主な役割は保管倉庫や商品配送センターなどの運営だった。さらに顧客への配送など販売物流を主とした物流業務だ。
 当然ながら、物流子会社の主目的は専門特化による習熟と集約効果によるコストダウン。主な使命は①親会社の販売物流を安定的に管理・運営する②親会社と一体化する(無理な要求もコスト度外視で受け入れる)③品質の向上とサービスレベルアップを重視する――など、あくまで「親」ありきの支援活動だった。
 しばらくして、親会社が成長ステージから安定ステージへ移行すると、求められる使命が変わってくる。「一体化ありきのコストダウン」だ。コストダウンが一回限りで求められるものならば、ある程度受入れることは可能。しかし、毎年物流費を下げ続けることはどこかで頭打ちがくる。
 親会社は、生産の遅れや突発的な大量出荷など無理な要求を出す。それらに答えながらコストダウンを実行し続けるのは大変なことだが、多くの物流子会社は具現化してきた。

継続的なコストダウン要請
 実行のためには、日本の製造業が行っている「改善」をし続けるしかない。改善を実行することで現場は強くなる。ノウハウが蓄積され、人材も育成される。こうして日本の物流子会社は、親会社グループの機能会社、物流業務に特化した会社へ成長した。
 一方で、親会社は外部収益の獲得を目指して物流事業会社に対し進化を求めてきた。俗に言う「外販」の拡大だ。外販の目的は、自立可能な運営・経営体制の構築と外部収益の獲得。それまでの現場改善とは次元が異なる、高度な要求だ。親会社業務が一〇〇%の物流子会社にとって、外部顧客から収益を獲得することは想像以上に難しい。とてつもなく高いハードルだ。
 物流子会社が物流業務を事業として成長させるには、保有していない多くの機能が必要となる。
 具体的には、①営業部門の創設②サービスメニューの作成③マーケティング④営業担当者の教育⑤新規取引での与信調査⑥外部パートナー体制の構築⑦取引ルールの制定――。次回はこれら七つの必要機能について解説する。


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