船井総研ロジ女性コンサルタントによる取材レポート
「物流現場で活躍する女性」

株式会社アール・ケイ・トラック
商品センター運営部 鳩山センター長 野田 峰子 様

“「フォークリフトに乗りたい!」という女性がたくさん”
-センターを視察した際に、フォークリフトを運転されている女性を多く見かけました

「重たい商品の荷扱いに関しては、やはり男性にはかないません。長岡のセンターにいたとき、フォークリフトに乗っている女性がすごく多いと驚かれました。私が女性で二番目にフォークリフトの免許を取りました。女性だって普通に車に乗る、それと同じでフォークリフトに乗ることは、全く男女差が無いと思っています。
それまではフォークリフトと言うと、男性の乗り物で、男性は当たり前のように入社するとフォークリフトの免許を取りに行っていました。手作業で商品を積み卸しするより、フォークリフトで、さっと運ぶだけで済むなら、私も免許を取る!と言って、フォークリフトの免許を取得しました。それに、当時は髪が長かったので、フォークリフトを運転すると髪の毛が風になびいてかっこよかったんです。(笑)」

(郷澤様)「現在フォークリフトの免許は、パートの方でも取得を希望される方は優先的にフォークリフトの免許を取得していただいています。」と組織的に女性社員をバックアップされています。


“男性より女性トイレの数の方が多い”
-今後、物流現場で活躍する女性を増やすために企業として
努力して欲しいことはありますか

「良品計画が男女差なしという方針にならい、アール・ケイ・トラックもその考えに近いとおもいます。パートさん、アルバイトさんを正社員にする間口を広げてほしいという想いはあります。経営陣もその必要性を理解しているようなので、現在社内規定等を見直しているところです。」
と非正社員側からするとなんとも心強いお言葉の野田様です。
「トイレの数も女性の方が多いし、休憩所も無印良品のソファがあり、きれいです。」
と仰っているとおりに、とても素敵な物流センターでした。

(郷澤様)「施設内の環境に関しては、鳩山センターを立ち上げるときにこだわってきました。」
働く人の目線を持って企業サイドが実際に職場環境を整える姿勢が良品計画グループの強みだと感じました。

無印良品物流
<写真>休憩所は無印良品のソファでゆっくりできます

「社会の中で男女の役割があって、子育てや介護など、どうしても女性のほうに負担がかかることがあるので、休みが取りやすい環境は大事です。女性スタッフを“認めて、応援してあげて”というようなことはずっとやってきています。女性を受け入れるのはその部分ではないでしょうか。
お金をいっぱいくれる、女性には軽い仕事をさせておくよ、とかそういうことではなくて、仕事と育児・介護の両立が出来るように認めてあげるということが大事なのかなと思います。」


“「周りの人が休むときに、いやな顔をしちゃいけないよ」”
-休みが取得しやすい社風は会社設立当初からあったのですか?

「設立当初からではないです。やはり以前は休みが取りづらく、“え、また休むの?”なんて、いやな顔をされたことがありました。
アール・ケイ・トラックはパートさんでも会社へ意見を伝えられる日報を書くことができます。休みに関する意見が書かれた日報を当時の柴嶺社長が見たときに、
“考え方を変えろ。みんな同じような経験をしている子どもを持った主婦の集まりだろう。子どもの具合が悪いときに、今日も休むの?なんておかしい。3人しかいないところで休まれるのは辛いが何十人もいるのだから、残りのメンバーでそれぐらいカバーできないのはおかしいだろ !”
というようなことがあってから変わりました。
トップダウンって大事ですね。日報で声が上がらなければそうならなかったかもしれません。そういう意見が書ける会社でよかったですよね。“書くとまずい”といった会社もありますからね。ちなみに日報はパートさんより実名で記入してもらっております。」

(郷澤様)「日報を記入した翌日には、経営陣の手元に届きます。」とかなり開かれた企業文化のようです。

「今は主婦の人が多いので、お子さんの具合が悪いときは無理しないで休んでください、それに周りの人が休むときに、“いやな顔しちゃいけないよ”ということは言っています。
なぜか男性の方が休みを取得されます。育メンが増えたのですかね?当たり前のように“今日は子供の入学式なんですよ”といって休まれます。」
弊社も是非そうでありたいなと強く感じました(笑)


“物流センターに女性は多いのに・・・”
-物流業界全体に対するご意見はございますか

「私がよく経験するのが、“部長です”というと、周りから珍しがられます。でも、どの物流センターへ行っても圧倒的に女性が多い、なのに管理職はみんな男性です。もうそんな時代ではないですよね。(笑)」


“従業員が満足できる環境を創造していく”

(郷澤様)「物流業界は必ずしも社交的な人が集まる業界ではないと思います。一日中トラックに乗って長距離運転をしていたり、倉庫でもくもくと作業をしていたりする人が多いので、一日の作業にやりがいを持てるよう、会社に来るのが楽しくなるように、会社側として何か仕組みを整えているか、そうでないかでは企業の運営に大きく影響します。」

最後に野田様は「センターの中にいる人たちが働き易い、満足できる環境を創造してくというだけのことです。従業員が幸せならそれでいいですよね。」
大変頼もしい上司です。野田様の下にいることで、全ての女性が活用できる現場が明確にイメージできます。


取材後記

今回、センター視察もさせていただきました。広いセンターの中で、BGMが流れていたり、ネステナーがピンクであったりと、物流センターのイメージが変わりました。
同社はパートでも経営層へ意見を伝えることができる「日報」がありました。この「日報」の存在がなければ、今の同社はなかったかもしれません。トップダウンの効果は歴然です。
人の出入りが激しい職場では、辞めては新しい人へ指導しての繰り返しによる、教育のコストと時間がかかり、業務の習熟度に差が生じてしまい業務が安定しません。しかし、企業として従業員が働き易い環境を整えていくことで、従業員の定着率アップ、長年の勤務による業務の習熟度アップの結果、センターの生産性向上につながりますし、野田様のようなアルバイト・パート出身で、センターを支えている方々の気持ちをよく理解されている管理職が増えていくのではないでしょうか。

今回取材させていただいた企業様

会社名:株式会社アール・ケイ・トラック
設立:1993年3月31日
資本金:3,000万
株主:株式会社良品計画 100%出資
代表者:代表取締役 小森 孝
年商:47億6400万(2015年2月時点)
従業員数:社員81名、パート・アルバイト345名(2015年2月時点)
web site:http://www.rk-trucks.com/


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【発行日】

2016/1/25



【執筆者】

田代 三紀子

コンサルティンググループ チームリーダー


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