ロジスティクス・インサイト「物流オピニオン」

ロジスティクス・アンケートから読み解く
荷主企業の物流思考 その1

設問3
物流を主に管理している部門について
荷主・物流管理部門

「(1)物流部で管理している」割合が最も少ないのがアパレル業界であった(33%)。回答いただいたアパレル企業にヒアリングしたところ、生産拠点の海外移転が進んでおり、生産を管理する商品部に物流機能が含まれているとのコメントがあった。

アパレル業界の傾向として、海外からの商品調達と連動した物流管理体制を推進しつつあり、物流を主管する部門についても物流部のみではなく、業務部、商品部、物流子会社等と多岐に渡っている。

また、商品部で管理している割合が他業界に比べて10ポイント以上高いのがメディカル業界であった。回答いただいたメディカル企業にヒアリングしたところ、法改正等により商品の企画変更が頻繁に起こるため、物流は商品部が管理しているとの回答があった。

設問4
物流拠点数について
業種 国内拠点数

合計
拠点
無し
1拠点 2拠点 3拠点 4拠点 5拠点 8拠点 9拠点
以上
アパレル 5% 38% 24% 24% 0% 0% 0% 10% 0 100%
メディカル 0% 36% 14% 14% 14% 7% 7% 7% 0% 100%
機械・電機 0% 42% 25% 8% 0% 8% 8% 0% 8% 100%
通販・小売 8% 31% 31% 8% 0% 8% 0% 15% 0% 100%
合計 3% 37% 23% 15% 3% 5% 3% 8% 2% 100%
荷主・物流委託見直し

各業界とも1拠点での物流体制が最も多く(31~42%)なっており、続いて2拠点での物流体制が多い(14~31%)。輸送、在庫、作業の効率化を追求してきた結果、最終的に1拠点体制になったと思われる。

メディカル業界は3拠点以上設置している割合が、他の業界と比較して高くなっている。製品の特性上、リードタイムが短いことや災害により供給がストップしてしまうことを回避するため、リスクヘッジとして全国に複数拠点を設置する傾向がみられる。
アパレル、通販・小売業界において「拠点なし」が少数(5~8%)ながら存在している。ドロップシッピングや、製造拠点もしくは卸売拠点から直送体制をとっているとのことであった。


設問5
物流委託先の見直し頻度について

「物流を外部委託している」と回答した企業に対して、その委託先の見直し・選定の頻度を質問した。
物流委託先の見直し頻度は、各業界とも「(4)見直し時期については特に決めていない」という回答が最も高かった(38%~62%)。見直し頻度が「1年ごと」は約15%、「2年ごと」は約3%、「3年ごと」は約2%となっている。

「(6)その他」の具体的コメントでは、「年間2回の見直しを行っている」や「委託先がグループ会社なので見直しはしていない」、「昨年、初めて見直しを行った」等の回答があった。

物流の委託先を頻繁に見直す企業においては、以下の理由によって委託先の見直しに取り組みやすい環境にあると推測している。「自社で物流管理マニュアルを保有している」、「自社に物流管理ノウハウが蓄積されている」、「自社で物流システムを保有している」等である。

この点は、非常に重要なポイントである。つまり、自社の物流業務に精通し、その実態を定量・定性的に把握することによって外部からの提案を受け入れ易く、更に評価し易い体制を構築しているということである。

「(1)どんな業務を委託するか」という業務工程を知り、「(2)いくらで委託するか」という業務原価(原単位)を知り、「(3)どう運営するか」という業務システムを知ることが、外部委託を成功・進化させる王道である。この3か条を把握すると同時に、2年に一度はコスト・品質・サービスを総合的に見直すべきであると、当社では提唱している。


・次号に続く
「ロジスティクス・アンケートから読み解く荷主企業の物流思考 その2」を見る

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【発行日】

2013/02/21



アンケート概要

〔実施対象業界〕
「アパレル」、「メディカル関連」、「機械・電機」、「通販・小売」の4業界
〔実施目的〕
上記4業界の物流における実態把握。
〔実施方法〕
「アパレル」、「メディカル」、「機械・電機」、「通販・小売」4業界の企業413社に対して調査用紙を送付し回答を依頼、返信用封筒にて回収。
〔実施内容〕
調査用紙に設問全13問を提示、選択と記述にて回答。
〔回答状況〕
回答企業数 60社 ※単一解答欄複数回答のあったアンケートは無効。
〔質問内容〕
l.物流運営体制
【問1】現在の物流運営体制について
【問2】今後の物流運営体制について
【問3】物流を主に管理している部門について
ll.現状の物流形態
【問4】物流拠点数
【問5】物流を外部委託している場合、物流委託先の見直し頻度
【問6】物流を外部委託している場合、委託先会社に対する満足度 
【問7】問6において「どちらかといえば不満である」「非常に不満である」と回答した企業について、その理由
【問8】売上高に対するトータル物流費の比率
【問9】物流について改善など取組みを行う場合の、情報入手手段
lll.今後の取り組み
【問10】物流領域において今後重要と考える取り組み(以下より選択)

項目 非常に重要 重要である どちらとも言えない あまり重要ではない 重要ではない
(1)倉庫の圧縮によるコスト削減
(2)輸配送単価・委託作業費の見直し
(3)物流拠点の見直し
(4)商品設計・包装の見直し
(5)物流センター内オペレーションの改善
(6)輸配送オペレーションの改善
(7)新規アウトソーシング・委託先の変更
(8)自社管理体制・組織・人員の見直し
(9)倉庫設備、マテハンの見直し/導入
(10)環境・省エネルギー対応
(CO2削減・ソーラー発電の導入等)
(11)情報システムの見直し
(WMS、TMSの見直し/導入・電子タグ等)
(12)その他(具体的にご記入下さい)

【問11】貴社の物流における下記項目の取り組み時期(以下より選択)

項目 実施済み又は現在実施中 6ヶ月以内 1年以内 2~3年以内 実施の予定なし
(1)倉庫の圧縮によるコスト削減
(2)輸配送単価・委託作業費の見直し
(3)物流拠点の見直し
(4)商品設計・包装の見直し
(5)物流センター内オペレーションの改善
(6)輸配送オペレーションの改善
(7)新規アウトソーシング・委託先の変更
(8)自社管理体制・組織・人員の見直し
(9)倉庫設備、マテハンの見直し/導入
(10)環境・省エネルギー対応
(CO2削減・ソーラー発電の導入等)
(11)情報システムの見直し
(WMS、TMSの見直し/導入・電子タグ等)
(12)その他(具体的にご記入下さい)

【問12】物流改善における推進体制
【問13】物流における課題や問題点

以上


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